空き家は、賃貸の需要や使用目的等があれば、そもそも空き家になりません。空き家とは「不自然な状態」とも言えます。空き家の悩みとは、消極的放置状態のまま需要と供給が成立しておらず、活用法が見いだせていないことに尽きる。と考えます。 早島地域は新興住宅地ではありません。山の中の限界集落でもありません。歴史も深く、アクセス良好、町の面積は小さいながらも子供も多く、三世代で住んでいる家族も多く、骨のある中小企業や昔からの風習や資源や財産が数多くある「もっと活かせる地域」です。 ただ単に「売却」「取リ壊し」「放置」「不本意ながら倉庫として使用せざるを得ない」ではなく「今ある多くの空き家の活用」。これを考慮した時、本課題が最も地域に価値をもたらすのは、本課題の一軒目のアキカツから始まる、「複数の空き家積極活用の仕組み化」であると考えます。 早島地域の活性化をゴールとするなら、「複数の空き家活用の仕組み化」である早島ステイプログラムを、運営母体を継続可能な形で設置し、空き家の活用促進をショートステイを軸に積極的に促すことで地域活性化を目指すことをゴールに設定し、課題に出ている一軒目から始める形とします。 ※地域活性化を実現するために「ステイプログラム運営母体」と空き家を活用したい人々の共通認識と、場合によっては「つくぼ商工会」との連携・協業が必要となります。 ●早島地域への来やすさと早島から各地への出かけやすさを武器とする(誘致·頻度の高い継続利用) ●早島地域は、岡山市街・倉敷市街・水島工業地帯等の要所に対するベッドタウンでもあリ、それはすなわち要所から「程よい距離がある地域」「便利な地域」「要所に通いやすい地域」であると言える。 ●空き家が多い地域であることを逆に武器とする(発展性) ●空き家が多くある地域とは、空き家を多く活用できさえすれば必ず地域活性化できる可能 性大の地域と言える。地域にとって意義の大きな活性化とは、地域内外の企業交流であり、早島地域情報の発信であり、早島地域以外の人々との交流であり、地域外からの人とお金の流入であり、税収増への可能性である。 ●求心力のある貴重な資源として白壁 / 蔵の活用を武器とする(貴重な体験 / インスピレーションの促進) ●今回課題に出されている空き家は、歴史深い早島地域の象徴と言える蔵のある白壁づくりであり(門もすごく実際に内外から見てみないと実感できない)資源である。 ●蔵のある白壁の家にステイすることをプログラム化し、活用法を積極的に各所に提案すれば「外部地域からの早島体験」を単なる観光としてだけでなく、非日常の中での、学習として、刺激として、アウトプットの場として短期間ではあるが早島の住人になってもらい、それは内外の財産化できる資源となる。 ●つくぼ商工会(相談員)や早島地区にある図書館や展示物、地域内の中小企業を武器とする(ショートステイの効果最大化のための密な関係) ●今回課題に出されている空き家は特に商工会や図書館に近く、観光地としてのWEB情報や印刷物のガイドはあれど、地元の人との交流や相談のプロから助言が受けられるチャンスをステイプログラムに設けることにより、短期間の「早島住人」になってもらい、より深く早島地域を知って楽しんでもらう。または学ぶチャンスを増やす。 そんな可能性を盛り込むため、運営母体の他にも(後述しますが守秘義務等の必要な場合も考慮し)商工会の方々にもご協力いただき、ステイプログラムの意義をより深める。 私が現地を巡って感じたこと1(私感) ※住人以外にとって早島地域が単なる通過点になっているのでは?というもったいなさ → だからこその認知促進と利用価値向上が重要で、ニュースになるレベルの活動が必要 ※スーパー・コンビニ・ファーストフード店等インフラの心配がない(空き家といっても山の中の一軒家ではない)→ だからこそWEBや移動手段等のインフラさえあれば不便なステイプログラムにならない ※地図を見れば一目でわかるが、早島地域は干拓地としても歴史が古く、入リ組んだ細い道(旧海岸線の内側)と開けた農作地帯(古い干潟地)が入リ混じリ、坂道・細道と平地とも古い歴史の象徴が多く残されておリ、今も老若男女が住み続けている稀有なローケションであると言える → 地域住人にとっては当たり前の住環境、ただ外部の人からすれば希少な環境 ※個人的な感想ではあるが「蔵のある家」「由緒正しい昔ながらの作り」が数多く残っているのは災害の少ない岡山県南部の特徴であり、できる限リ守っていきたい風景 私が現地を巡って感じたこと2(私が現地にショートステイしたら → アウトプット) 私が大都市圏・大企業内の新商品開発担当で、コンセプトワークをするなら(いわゆる缶詰状態になる場所を選ぶとしたら)自分にとって非日常で歴史や文化の深い場所を選ぶ。 ※私が実際に多く耳にした話では新商品開発担当は、コンセプトワークの際、ホテル等に篭リ「いいコンセプトを出すまで出るな(いわるゆる缶詰状態)」という業務命令がでるケース ※新商品開発担当は既に、または後の企業内の要人(部門責任者)である ※つくぼ商工会内の中小企業の技術等を見学する時間を設けることを条件とするなら、減額や滞在延長可能な形に(実質値引き)。 ※これはつくぼ商工会内の中小企業見学等を通じ大企業とのコネクションを獲得する可能性になりうる。また企業にとっては非日常の中での一風変わったコンセプトワークの可能性になりうる 私がアニメ原作者や映画原作者なら「坂道を自転車で登る中高生」「その昔江戸時代の干拓前、島だった頃からある古い神社等」にインスピレーションを得て作品を描きたくなる。 ※特に現役クリエイターやクリエイターを目指す人にとってのアイデアの宝庫となりうる これはのちにロケ地巡りやアニメの一場面のモデルとなった場所巡りという将来の観光誘致の可能性になりうる ※著作権的な見込み収益に関する交渉を条件とするなら、減額や滞在延長可能な形に(実質値引き)。 私が建築家なら、古き良き伝統を現代建築のモチーフとして活かしたくなる。庭、門、蔵、質素で最小限の住環境等。 ※古くから残る良いもの、良い技、それらを熟知継承している昔ながらの早島地域建築関係者の活躍の場が拡がる可能性になりうる。 その他1〜2週間「早島住人」になるなら 私が作家なら、折檻のために蔵に閉じ込められること、い草の香リの表現、い草を栽培→商品にすることがいかにキツイことであるかを地元民との会話から学び表現(文章でアウトプット)する。 私が学生なら、1〜2週間倉敷市内の大学に通える仕組み(短期留学)があれば、今回課題に出されているような空き家で昔ながらの生活をしてみたリ、住環境がらみのレポート(写真等アウトプット)にしたりする。 私が課題や卒論を抱えている学生なら、普段の生活環境ではない場所に籠ってアウトプットに集中する。 私が美観地区や下津井あたりを巡る予定の観光客なら、宿泊施設の値段は気にするが、それ以前に普通の観光よリも刺激や貴重な体験が多くできるかを気にする(結果写真やレポートとしてアトウプット)。 私がイラストレーターなら、道端の木になる実や、古い祠や、用水路のある風景や、垂れ下がった稲穂、そこを走る電車を描いてみる(絵でアウトプット)。 私が政治家志望なら「高齢化社会と町づくリ」「技術継承の難しさ」「先細りの産業と未来型の産業」「軽自動車やコンパクトカーがいかに重宝するか」等を学ぶ修行の場とする(結果教訓やレポートとしてアウトプット)。 私が経済学者なら、町おこしに参加する人々の温度や地域ならではの仕組みを調べたくなる(結果写真やレポートとしてアウトプット)。 私が外国人なら、町の人々とも会話しながら日本文化・中国・四国地方文化を中心に地域産品(日本家屋・日本米・い草産品等)の研究をしてみたい(結果写真やレポートとしてアウトプット)。 ※運営母体は守秘義務を持つ人々のサポートとともに、情報提供・各所案内・悩みの共有・場合によってはクリエイティブワークのスケジュール管理を行う(例えるなら雑誌の編集者のような役割)。 ※上記(観光客などアマチュアの範疇は)ショートステイする人々に早島地域に関するレポートやレビューの提出をお願いし有形無形資産として運営母体や商工会に蓄積する仕組み化を目指す。 早島地域の魅力再発見に繋げ、WEB等のコンテンツとしたり、次にショートステイする人々のための財産とする。 また、運営者側が設定した水準を超えるレポート・レビュー提出者にはインセンティブとしてショートステイ費用の減免等を行う。 ※「大学コンソーシアム岡山(岡山県内の高等教育機関の連帯と相互協力機関)」には加盟大学各大学の単位互換制度等の連携があり、例えば津山市内の大学生が倉敷市内の大学で講義を受ける際のショートステイにもこのビジネスモデルを大学にアピールする源泉となり得る。 (倉敷市では岡山学院大学· 倉敷芸術科学大学・川崎医科大学·くらしき作陽大学・川崎医療福祉大学・倉敷市立短期大学が加盟) 早島地域ステイプログラムを通じたアウトプットと可能性まとめ 1. 企業における企画開発責任者はコンセプトワーク等を行う際、ホテル等に滞在(いわゆる缶詰状態)深く考えを巡らし、集中的にアウトプットを行うケースが多い。ショートステイを提案する魅力が早島にはある。 2. 学生は課題作成・卒論・卒業制作を行う際、深く考えを巡らし、集中的にアウトプットを行う。そのほか近隣の大学や短大への短期留学等ショートステイを積極的に受け入れられる魅力が早島にはある(産学連携にもつながる可能性がある)。 3. クリエイターや作家は、作品作成の際、インスピレーションを得ながら深く考えを巡らし、集中的にアウトプットを行う。早島ゆかりの作品を生み出すためのショートステイを提案する魅力が早島にはある。 4. 個人旅行の場合、費用は宿のクオリティや需要に比例する。ユースホステルも然り。しかし、新しい滞在の形を提案する旅行→費用を抑えたショートステイを提案する魅力が早島にはある。 ⇨将来的な税収増(地域活性化)や著作権等の「権利収益」のための投資として捉えることができる。 そのほかのステイプログラムの可能性 ・集中的に1〜2週間篭り、映像作品を多数集中的に鑑賞するための場として...映画配給会社の研修、大学の映画研究会の課題、俳優志望者の修行、映画製作者志望の修行etc...(モニターやプレイヤー等のインフラが必要) ・2〜3人で行う事業団体の共同プロジェクトを今までにない環境で集中的な議論・意見集約のため...大企業、中小企業、個人事業主、合同会社etc...(情報収集や途中経過報告のためWEBインフラ等が必要) ・囲碁や将棋の修行、詩吟や浪曲の修行、マンツーマンで集中的にショートステイの中で師弟関係を深める...各習い事を師匠の立ち振る舞いごと得ることのできるチャンスetc...(ショートステイ期間中の目標設定等が必要) 地域への効果まとめ(基本的に早島地域外からのショートステイ体験者獲得と可能性のあるその周辺効果) 1. 早島地域外との企業とのつながり促進のチャンス → 集中的に近畿 / 山陰 / 四国の企業へのショートステイ誘致活動 → それに伴うつくぼ商工会内の企業とをコネクトする(要人とのコネシクョンの財産化) 2. 早島地域内外の学校とのつながり促進のチャンス → 各大学・短大各学部各サークルヘのショートステイ誘致活動 → それに伴うつくぼ商工会内の企業とをコネクトする (産学連携にも可能性) 3. 早島地域内外のクリエイターとのつながり促進のチャンス → クリエイターヘのショートステイ誘致活動 → 早島発中小企業の新商品へつなげる、また、将来の可能性の見込みに応じて知的産財権等の契約 4. 早島地域内外の旅行目的観光客獲得促進のチャンス → (例)倉敷美観地区近辺に宿泊するより貴重で新しい体験の提供 → レポート・レビューの財産化とロコミ促進・ニュース配信促進 |