プロジェクトについて
プロジェクト概要
「つくぼエリア」とは、都窪郡早島町を中心に、倉敷市庄地区(栗坂 / 上東 / 下庄 / 松島 / 二子 / 西尾 / 山地 / 矢部 / 日畑 / 庄新町)、倉敷市茶屋町地区(茶屋町 / 茶屋町早沖)をまたぐエリアを指します。
西に倉敷市、東に岡山市と、両市のちょうど間に位置するという利便性からベッドタウン化が進み、人口が急増。早島町は県下自治体の中で面積が最小でありながら、人口密度は県下最大。また、エリア内の茶屋町小学校では児童数が1,300人を超え、県下第2位のマンモス校へ。そんなエリアです。
また、特徴的な観光スポットはないものの古い町並みが多く残されていることから、早島町は都市部の方や外国人の方が興味を持つコンテンツを有しているまちとして知られ、倉敷美観地区との連携もあって観光で訪れる人が年々増加しています。
その一方で、元々宅地が少ない早島町では、歴史のある住宅や古民家などが壊されて新たな宅地へと造成されるなど、古き良き時代のものがどんどん失われてしまったり、従来からの住民の方と新たに移住してきた住民の方との間の「コミュニティーの問題」が生じたりしていました。
そんなとき、エリア内の茶屋町に、偶然にもカフェが4件ほど次々と開店。このうち2件は空き家・空き店舗を活用しての開業であり、カフェにさまざまな人が集まり交流が始まっていく様子を見ながら、「何かビジネスの手法を使って地域の問題を解決できるのではないか?」、そんな想いが湧いてきたのです。
茶屋のまち「茶屋町」にカフェができた。そんなことから、まちの中心部に増加している空き家や空き店舗を活用して、カフェのような飲食店や地域コミュニティーの起点となるような場を創れないものか?と考え、当プロジェクトはスタートしました。当時、静岡県の下田から庄地区へ移住した方が開店された古民家カフェが地域の方々のコミュニティーの起点となり始めた頃に、市より「市街化調整区域での営業はNG」と言われ吉備中央町へ移転なさり、残念な思いをしたこともこのプロジェクトをスタートする後押しになりました。
当プロジェクトでは、平成27年度にエリア内の空き店舗や空き家について調査、翌28年度には再利用可能な物件を対象とした持ち主調査を実施。「貸したい」「売りたい」といった意思が持ち主の方にある物件については、空き物件を活用したい方たちとのマッチングを行ったり、空き家・空き店舗の活用に関するセミナーやビジネスコンテストを開催したりし、エリア内の空き家・空き店舗の再利用の可能性を模索、そして、その実現のために活動しています。
調査報告書要約
空き家等問題の現状
総務省が実施した住宅・土地統計調査の結果によると、平成25年10月1日現在における我が国の総住宅個数は6,063万戸で、5年前と比較して304万戸の増加(増加率 5.3%)。このうち、空き家の総数は820万戸(空き家率 13.5%)に上り、空き家率は過去最高、また、残念ながら岡山県は空き家率の高い都道府県のワースト9位(空き家率 15.4%)となっています。
調査方法
平成27年度の広域連携事業(以下、「空き家等活用事業」)の中心となる空き家・空き店舗等(以下、「空き家等」)の実態調査は、つくぼ商工会が所管する倉敷市地域の一部である茶屋町地域、および、庄地域と都窪郡早島町地域を対象として実施したものです。実施期間は平成27年10月末から同年12月末までの2か月間。車両で巡回し、現地目視にて保存状況を確認しました。
調査結果 - 調査地域の現状
上述した調査方法による調査の結果は以下の通りです。
倉敷市茶屋町地域
区分 | 件数 |
---|---|
Aランク | 3件 |
Bランク | 30件 |
Cランク | 27件 |
Dランク | 4件 |
倉敷市庄地域
区分 | 件数 |
---|---|
Aランク | 4件 |
Bランク | 10件 |
Cランク | 30件 |
Dランク | 5件 |
都窪郡早島地域
区分 | 件数 |
---|---|
Aランク | 6件 |
Bランク | 33件 |
Cランク | 31件 |
Dランク | 6件 |
なお、表中の区分(ランク付け)は当プロジェクトにおいて独自に定義しているもので、次のようになっています。
区分 | 区分の内容(対象物件の現状) |
---|---|
Aランク | 設備の持ち込みで居住や営業(以下、「使用」という)を現状のままできる状態 |
Bランク | ほぼ軽微な修繕で使用状況に移行できる良好な状態 |
Cランク | 大規模な修繕を加えないと再使用に耐えられない状態 |
Dランク | 景観・防災・防犯上面で撤去の検討を要すると推定され、再利用も困難な状態 |
空き家等の商用活用に見られる3地域共通の課題
まず、改修費用の問題が挙げられます。そのまま入居や利用ができる物件は少なく、ほぼ改修が不可欠。賃料の相場が4〜5万円程度の地域であり、所有者が改修費用を負担してまで貸し出すメリットが少ないため、放置状態にあると考えられます。定住などの地域活性化策では自治体が融資や助成を行い、自治体が物件を買い取ったのちに町営住宅として活用するなどの事例もありますが、商用活用の事例は稀。補修や改修費用は少なくとも200〜1,000万円程度が必要と推測されますが、希望者が若年の場合は担保能力を問われ資金調達に苦労する場合が多いのが現実です。
プロジェクトメンバー
当プロジェクトは、つくぼエリア(都窪郡早島町 / 倉敷市庄地区 / 倉敷市茶屋町地区)の住民代表の方、専門家の方、関連諸団体の方、および、つくぼ商工会の経営指導員が運営しています。
空き家・空き店舗活用事業推進委員会
所属 | 委員名(敬称略) |
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庄地区代表 | 八木 通文 |
茶屋町地区代表 | 和田 一夫 |
早島地区代表 | 林 作治 |
古民家再生工房・佐藤隆建築研究所 | 佐藤 喬 |
倉敷市商工労働部商工課 | 前田 幸宏 |
早島町まちづくり企画課 | 渡辺 博 |
早島町まちづくり企画課 | 宇治田 翔吾 |
中塚ビジネスコンサルティング | 中塚 貴洋 |
つくぼ商工会事務局
役職 | 氏名 |
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事務局長 | 星田 俊治 |
支援課長 | 原地 慶充 |
支援課長補佐 | 産賀 昭宏 |
経営指導員 | 岡本 浩孝 |